シリコンバレーカンファレンス2009レポート

到着日の翌日で時差ボケによる眠さの残る中、朝8時半から夕方6時という超ハードスケジュールでカンファレンスは行われました。


内容は

  • 講演1 梅田 望夫氏
  • 講演2 大澤 弘治氏
  • 講演3 金島 秀人氏
  • パネルディスカッション6本
  • 講演4 渡辺 千賀氏、海部 美知氏


それぞれの内容について詳細は割愛しますが、いくつか簡単に概要だけ。

梅田さん講演

「自分の力と時代の力」というテーマについての話。
まずご自身の経歴を実際の体験と時代背景を交えて話してくださりました。
梅田さんがシリコンバレーで働くきっかけになった事や、
そうなる為にはITの成長期という時代の力が必要不可欠であった事、
また実現する為には実現したイメージを強く持ち続ける事が重要だといった内容。


そして現在のITはある程度、成熟しきっているので昔に比べ時代の力に
後押ししてもらう事にはあまり期待がもてないのではという見解だそうだ。
ただインフラ(ネット環境等)が充分に整備されているので、
道具は非常に充実していて一生懸命に生きる人にとっては、
より力を活かしやすいが、その分、格差も生まれやすい。
与えられた道具を最大限に活かして自分の力を何倍にも増幅する事が
これからのキーポイントになってくる。


非常に同意できる内容でした。時代の流れに逆らうことなく準じる事が非常に重要なんでしょうね。

大澤さん講演

大澤さんはGlobal Catalyst Partnersというベンチャーキャピタルを起業された方だそうで、現在の不況の実際の温度感や起業家に必要な力についての話でした。


今の状況はやはり相当悪いようで、今後ある程度収束するかというと必ずしもそうではなく、下手をすると5,6年くらい平気で続くかもしれないらしいです。
サブプライムの第2波、第3波は控えていてAlt-Aなんかは$1trillionを内蔵しているとの事。
このあたり実際に最前線で投資をしている人の意見という事で、
かなりその可能性も高いんでしょう。


また起業家に必要な力として以下の5つを挙げておられました。

  • クリエイティブ
  • インテリジェンス
  • 諦めない力
  • チームプレイ力
  • 明るい事

中でも諦めない力が最も重要で松下の創始者が言ってたそうだが
「成功する秘訣は成功するまでやめない事」であると。
確かにやめなければ最後は成功なわけだから一理あるかもしれない。


起業の成長のグラフなんかを年単位で見ると右肩上がりというのを目にするが、四半期、月単位にしてみると必ずしもそうではない。
実際には上がったり下がったりを繰り返しながら成長していく。
しかし下がった時に何もしてないかというと、それぞれ適切に素早く
リカバリ方法を考え対処していくからこそトータルは右肩上がりになる。
つまり成功とは失敗をマネジメントし続ける事によって得られるというわけ。


これはWEBサービスをなんかの場合でも同様ですよね。
ユーザ増加が不振に陥っても目的の結果を得る為には対策を打ち続ける事が非常に重要なんだと感じています。
個人的にこのセッションが最も良かったです。

金島さん講演

googleのビジネスモデルは、あらゆる情報を質関係なく集める事である一定ラインを超えるとそれが「量から質」に変化するというもの。
ベンチャーの成功にはしっかりとしたビジネスモデルを持つ事が大事。


シリコンバレースピリットには尖ってる人間の方が好まれる、得意な事を仕事にするというのがある。
また楽観的であるという事。悲観論は生命のもつ本質だが楽観論は意志である。


一度、外に出てみて日本を外から観察するという事も大事。


確かにそういわれると今回の不況による不振ですら狭い視野での物事を捉えるあまりに想定外で仕方がないものという発想になるが広い視野で捉えある程度、予見する事もできたかもしれないわけですもんね。

パネルディスカッション6本

現在、こちらで仕事をし活躍されている方々を招いて、様々なテーマについてのディスカッションが行われた。
エンジニアにおける日米の文化の差はここまで大きいのかと思わせるような内容もありました。
実際に行動を起こされて、形を出している方達の意見なので、説得力もリアリティもあってどれも大変興味深かったです。

渡辺さん、海部さん講演

最後の締めとなる講演ですが長時間で疲れた体にちょうど良いくらいの
ゆるいムードで、時に核心をつくような話もあり面白かったです。



どれも非常に刺激的な内容ばかりで、
今後の考え方にも大きく影響を与えそうです。
私と直接会う事のある方は、話をする時にまた
内容について触れる事があるかもしれません。